『稲葉七穂』が創り上げた『錦雲軒』とは
七宝界の頂点に君臨する『並河靖之』と同様に
最高級市場に的を絞った京都を代表する七宝会社ですが

そんな『錦雲軒』の作例の中でも今作とは
『砧青磁』の美しさを七宝によって見事に表現した
由緒正しき『皇太后宮』の御用品と成っております。

ちなみに今作とは過去には類例を視ない
『印刻』による特殊な技法と出来栄えから視ましても
おそらくは何かしらの博覧会での『受賞作』が
買い上げられた後に『御用品』と成った作品かと想われます。

(時代)
明治期

(寸法)
台座を含む
高さ(25.0cm)
横幅(28.5cm)
重量(3375g)

当店は過去の経験の中で
帝室技芸員として名高き『並河靖之』や『濤川惣助』等
多数の名工作に携わって参りましたが

此れ程までにも見事に砧青磁を再現した特殊な七宝には
未だ嘗て一度たりとも出逢った事が御座いません。

台座には乾燥による亀裂と縮みが御座います。

(状態)
後天的な傷みでは一切御座いませんが
制作時に由来する色彩のムラが
一箇所に御座います事を御了承願います。

ちなみにそれ以外には特筆すべき傷みも無い
無傷完品レベルと成っております。

今作の価値が解られる
興味の在る方々がいらっしゃいましたらば
宜しく御願い申し上げます。