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角栄の「遺言」「田中軍団」最後の秘書　朝賀昭
中澤雄大

「オヤジの成功、失敗体験をひっくるめた、その生きざまを語ることに、この国難を打ち破るヒントが詰まっている。国家の舵取りが難しい時代に、少しでも世のため人のためにつながる政治が実現してほしい。それがオヤジの再評価にもなると信じたい」。23年間、角栄の傍らにいて、その生涯にわたって「最後の秘書」の文字を背中に刻み続けてきた男が初めて語る、毀誉褒貶激しい「天才政治家」と、それを取り巻いた人々の実録。

プロローグ
第１章／オヤジとの出会い
第２章／目白の面々　～オヤジと秘書
第３章／佐藤ママと娘
第４章／列島改造前夜
第５章／田中学校　～小沢一郎代議士誕生
第６章／ポスト佐藤をめぐって　～田中政権誕生前夜
第７章／田中政権誕生　～権力とカネ
第８章／日中国交回復、列島改造
第９章／政権崩壊前夜　～オイルショック
第10章／落日　～金脈と越山会の女王
第11章／ロッキード事件　～まさかの逮捕
第12章／「田中軍団」　四十日抗争
第13章／オヤジ倒れる
エピローグ

レビューより
角栄とその人間関係を語る最重要文献！
本書は，田中角栄（以下，角栄）と同郷で実に有能な中澤雄大氏の著作ではあるが，取材対象である「田中軍団」最後の秘書の朝賀昭氏（詳しくは後に紹介）が「私」として語るような体裁の本になっている。なお，朝賀氏は，その長く仕えた角栄と佐藤昭子との間の一人娘の佐藤あつ子さんが公刊した『昭　田中角栄と生きた女』に「お兄ちゃん」として頻出する一方，本書には幼時以来の敦子さんへの論及も多い。


田中角栄についての人間性、歴史的出来事を臨場感を持って知れる読み応えのある本でした。 角栄氏が高等小学校卒でありながら、いかに政治家として優れていたかよく分かる内容でした。 また、歴史的なロッキード事件は後に無罪判決になっていたのは知らなかった。


実録なので、各エピソードが生々しく、これまで見聞きしなかった角栄像がある。元首相の毀誉褒貶激しく、また稀有な才能と努力により、学歴がないながら宰相にまで上り詰めたその生き様は、生きづらい今の時代に生き抜くヒントが得られる。