MJ無線と実験2024.7 夏号 102ページ [図25]改良型6111-2SA649ハイパワーアンプです。
◆主要パーツは、PhilipsECG JAN-6111WA,2SA606,2SC1161,2SA649,SE20pF
◆Lch側6111のヒーターに2kΩの抵抗を並列接続し、2本等しく6.25Vかかっています。
◆ドライブ段電源は、以下の理由からリポではなくリチウムイオンバッテリー仕様としました(XT60コネクタを3mmバナナプラグに変更)。
・ドライブ段の電圧が12Vを下回っても聴感上ほとんど差異が無く、バッテリーチェック回路が設けられていないため気づかずに使用し続けて過放電状態になってしまうおそれが有る。リチウムイオンバッテリーであれば、気づかずに使い続けても1ヶ6V弱まで下がると保護回路により電流が遮断される。
・ドライブ段バッテリーは6111のヒーターを点火しており消費電力が大きいうえ、電圧によらずほぼ一定の電流が流れるため、(使用中の音量によるが)出力段と同じ容量のバッテリーであっても出力段より早く下限に達してしまう。因みに、No.289もドライブ段バッテリーチェックが無いが消費が少ないので心配ない。
・ドライブ段には瞬間的に大電流を流せる電源は必要ない。
・バッテリーの種類が増えてしまうが安心感には代えられず。不安を抱えながらでは音楽に浸れない。
◆付属品はバッテリー接続ケーブルです。バッテリーや充電器は付属しません。バッテリー、充電器は数多くの商品が流通していますので、容量・機能・価格などからお好みのものを選定し落札者様の方でご準備ください。
・出力段:リポバッテリー4S(14.8V), 6,000mAh以上 … 必要数4個
・ドライブ段:リチウムイオンバッテリー(7.2~7.4V), 6,000mAh以上(*1) … 必要数2個
オークション終了後、リポバッテリーの充電設定の違いや安全な運用方法を解説している動画等をメッセージ欄にてご紹介します。
*1:No.277や279パワーアンプで使用されている、6,600~7,300mAhのバッテリーが適合します。例…https://item.rakuten.co.jp/batteryginnkou/10006379/
◆簡易なものですがアンプの取説、バッテリーの接続方法の説明書きが付きます。
◆本体寸法[mm]:W330×D280×H145
◇万が一動作不良が発生した場合、商品お受け取り後90日以内であれば無償修理対応致します。
・不注意や誤った使い方による不良を除きます
・対象は国内に限ります
・写真では見えにくい、外装の細かいキズやコーティングスプレーの塗布ムラ、インスタントレタリングの微細な欠けやズレがあります
・海外発送は不可
・NC,NRでお願いいたします
・分解・改造・調整はご自身の責任で行ってください
上述の内容を必ず確認のうえご入札ください
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(2025年 5月 9日 11時 45分 追加)[ご質問の有った緑色の抵抗について]
MJ無線と実験誌をお持ちでない方にも確認頂ける様、回答で引用した2024.4 春号83ページの写真をアップロードしました。9枚目の画像をご覧ください。(2025年 5月 10日 13時 22分 追加)[2番目のご質問「No-289の2SD218・・・」に対する回答の続き]
最初に音出しした時に思った違いは、しっとり感です。うまく言えませんが、湿度の高い(悪い意味ではなく)濃密な、空気というより透明な液体が揺らいでいた、そんなところでしょうか。ただそれも耳が慣れてしまったせいかすぐに普通に聴こえてきました。
本機の前に自分用でNo.294を作ったのですがその時には感じなかったしっとり感です。両者の回路構成の違いはA649の数と電源電圧とドライブ段Trぐらい。C1161と電圧はNo.289もなので主要因ではないと思われる。
考えられるのはIo調整値で、なぜNo.293だけ300mAと大きいのだろうかと疑問でした。推移を観測してみると、電源電圧低下に伴うIoの減少度合いがD218よりも大きく、満充電スタート時の値をその分大きくしているのではないかと推測しています。Ioが数十mAに下がるとざらつきビリつきを感じ始めますから、単純に考えて、たっぷり流れているとしっとりなのかと…。
以上、プラセボも多く含まれているはずですのでご承知おきください。
(2025年 5月 11日 11時 00分 追加)[3番目のご質問「何度も質問すみません。 この金田式アンプは・・・」に対する回答の続き]
結論から申しますと、低温下でIoが流れすぎることはありません。質問に書かれているご経験とは逆に、周囲温度が低いほどIoは低く温度が上がりにくい。
以下詳細ですが、恒温槽に入れて実験している訳ではないのでこのごろの快適な室温23℃前後から立ち上げた場合での状況としてご認識願います。また、調整/確認作業の手段として、Io調整およびデータ測定の大半はバッテリーではなく直流安定化電源で実施しています(調整作業中に電圧が下がってしまい何を調整しているのか分からなくなるため)。ヒアリングはバッテリーで行っています。
・今回、今までになくIo調整に難儀した(Voは素直)。時間経過につれ温度が上がるとIoを減らす方向に制御されるはずだが。
・記事に「Ioを100mAに…Ioはゆっくり上昇するので最終的に300mAに」とあるので、安定化電源で満充電時の±33.6Vをかけてまず100mAにし様子を見ていたら300mAを軽く超えて上昇していってしまった。「最終的に300mA」になる様にVRを下げた後、バッテリーに交換したら何だか元気が無い。安定化電源に戻し、若干低めの±33Vをかけ続けた時に300mA近辺に落ち着く様に調整した(この時筐体両サイドヒートシンク表面が47℃で、触れていて心地よい温度)。
・これって、バッテリー電圧の低下によるIo減少と相殺されることを見込んだ設計なのではないか、そうせざるを得ない?サーミスタとパラが470Ωって大きくない?
…何だかよく分からなくなってきてしまっているのですが、実機の調整はうまくできていると思っています。本機の場合は逆にIoを大きくしたいがために、総論としてはやはり室温は低くない方がベター、ということになるかと考えます。
以上、長くなるのでここまでにします。ヒアリング中の電源電圧/Io/Vo等の観測データも控えています。できる範囲で公開しますのでおっしゃってください。