
2014年にフランスの著名なコレクターより譲り受けた、1940〜50年代頃の希少なヴィンテージフレンチコートです。
フランスの元オーナーからは、「主に年に一度、消防のお祭りで着用されていた」ということを聞いています。
フランスには、サント=バルブ(Sainte-Barbe / 聖バルバラ)という消防士や鉱夫の守護聖人を祝う伝統的なお祭りが、毎年12月4日前後に各地で開かれます。
このお祭りは単なる祝宴ではなく、消防団のパレードや式典が行われる「消防士にとって一年で最も重要な日」です。
このコートは、そのような地域の大切な行事で長年愛用されてきた「ハレの日の一着」だったのかもしれません。
単なる「作業着」という枠を超え、フランスの地域コミュニティや伝統に根ざしたアイテムであったことが伝わります。
前置きが長くなりました。大切にコレクションしてきた愛着のある個体ですが、整理のため、価値を理解していただける次の方へお譲りいたします。
【ディテール・特徴】
ブランド: 「FECHEROLE Professions」の刺繍タグが付いています。ネットで検索してもあまりヒットしません。
タグに刻まれた「CHAPELLE-D'ARMENTIRES」は、フランス北部ノール県の町です。隣接するアルモンティエールは、かつて「Cit de la Toile(布の街・リネンの街)」と称えられ、ヨーロッパ屈指の繊維産業の聖地として栄え、特に19世紀から20世紀初頭にかけては、リネン(亜麻)の生産において世界的な中心地の一つでした。
生地感: 家畜商(マキニョン)向けの特殊な高密度生地です。
お譲りいただいた方からは、リネンとコットンを交織した「Metis(メティス)」ではないかとのことでした。
本品は、光沢と使い込まれたことによるヌメり感のある柔らかな質感が共存しており、非常にリネン比率の高い上質な生地であると推測されます。フランスヴィンテージらしい、経年変化による「アタリ」やフェード感が素晴らしく、現行品では決して出せないオーラがあります。
襟元・ステッチ: 襟の独特な形状と、補強のためのV字ステッチ。丁寧かつ堅牢な作りが当時の職人魂を感じさせます。
ポケット: フロントの大きなパッチポケットは、フランスのショップコートやアトリエコートに見られる、使い勝手とデザイン性を兼ね備えた意匠です。
ボタン: 風合いのあるオリジナルのボタンが揃っています。
【状態】
ヴィンテージ品につき、全体的な色褪せ、小さなスレ、穴、汚れほつれ等の使用感がございます。
観賞用としておりましたので、こちらでは一切の手を加えておりません。
気になる方、抵抗のある方のご入札はご遠慮ください。
【サイズ】
肩幅:55cm
身幅:69.5cm
着丈:89cm
袖丈:58.5cm
フランスヴィンテージの奥深さを教えてくれた、私にとって非常に思い入れの深いコートです。
古い時代の衣類であることをご理解いただき、ノークレーム・ノーリターンでお願いいたします。
本物のフレンチヴィンテージをお探しの方、この機会にぜひご検討ください。