・書籍名 : Haworthia of the Hassequa -40 Years of Exploring A Journey of Gratitude-
・著者名 : Joseph Marthinus 'Essie' Esterhuizen
・出版社:The Haworthia Society Press
・発行年:2024年
・形式 : 洋書(英語)、302×215mm、94ページ、ハードバック(カバー無し)
手元に余部があるので出品します。新本在庫となります(写真参照)。
<書籍説明>
本書は南アフリカ共和国のアマチュア・フィールドワーカーであった、Joseph Marthinus 'Essie' Esterhuizen(ジョセフ・マルティナス・エスターワイゼン, 通称"エッシー", 1957-2024)が、1983年〜2023年までの約40年間、現地調査や文献調査から導き出したHaworthia(ハオルシア、ハオルチア)の実態を克明に示した書籍となります。
また、著者はフィールドワークを開始直後にカルー植物園に赴き、Haworthia分類の大家となる故Martin Bruce Bayer(マーティン・ブルース・ベイヤー、1935〜2023)と面会して、同属の膨大な標本コレクションにアクセスしました。これがきっかけとなり、より深くHaworthiaの現地調査にのめり込んでいったとの事です。
その後、なんと40年間も南アフリカ共和国のHASSEQUA District(ハッセクア区域)内の調査を繰り返してきましました。先のB. Bayer氏とは、約40年後の2022年になってから、フィールドで再開したとの事で、その後に様々な議論をし、かなり似かよった見解に至ったとの事です。
この空白期間には、ドイツのIngo Breuer (インゴ・ブリューワー)をはじめ多くの研究者とも交流があり、英国のThe Haworthia Societyのジャーナルにも手記を投稿しています。また、本書の前文には、HASSEQUA Districtの自治体長やB. Bayerの息子となるWarwick Bayer(ワーウィック・ベイヤー)が手記を寄せており、その功績に対する評価が示されています。
本書では、HASSEQUA Districtの各産地について詳細に調査しており、またHaworthiaの分類学的な難しさを、いくつかの系統群をクライン(形態的なグラデーションまたはモザイク)として捉えており、50mごとに形質を変えることもある本属の集団について、細かく記録しています。
また、過去にHaworthiaに関わった研究者や分類学史について総括しており、これまでHaworthiaがどのように解釈されてきたのかを知る教科書的な側面を併せ持つ書籍ともなっています。
残念ながら、著者自身は昨年に亡くなられましたが、貴重な一次データや写真、考察が満載でして、単純に学名を知りたいと考える園芸趣味家さん達には、新たな混乱を与えるかもしれません。しかしながら、他の文献と併せて読解していくと、そんな分類が簡単ではないHaworthiaの現地での実態が垣間見える良書かと思います。