英国Goodmans Industries社が1960年前後に製造販売していたと考えられる、10x6インチの楕円フルレンジスピーカーユニットペア、美品です。私自身が使っていた際に端子に付けたケーブルはそのままの状態で発送いたします。
■主な仕様
磁気回路:アルニコ(推定)
外形:260(長辺) × 155mm(短辺) x 85mm(高さ)
公称:15Ω
重さ:約600g
Goodmansでは25cm円形フルレンジのAxiom 80が有名で、本出品のような楕円のユニットはあまり見かけません。楕円ユニットには設置場所に制約の多いラジオや録音機器などへの組み込みが容易、という側面のほかに、E.M.I.社で録音技術を統括していDutton博士による「楕円振動板は円形振動板よりも共振が分散しやすく鋭い共振ピークが出にくい」という発言も知られており、実際にE.M.I.社は高級スピーカーユニットも楕円形のコーン紙で出していました。
本出品の楕円ユニットは、1959年から発売されていた英国Ferrograph社のオープンリールテープレコーダーであるSeries 4などにモニタースピーカーとして内蔵されていたことが知られています。
Ferrograph社:
1949年に設立されたオープンリールテープレコーダーを主な製品とする会社で、同社の製品は、BBCなどでの放送用、教育用、家庭用ハイエンド向け。「Built Like A Battleship」とも評された堅牢さが売り。
個人的な感想ではありますが、音質は、不思議なことに先日出品しご落札頂いたE.M.I.社の楕円ユニットに近い雰囲気があるように思います。つまり、西ドイツのTelefunken社の同サイズの楕円フルレンジのピラミッド型のバランスや密度感のある中域に対し、このGoodmansやE.M.Iの楕円ユニットは、中高域のニュアンスや空気感が豊富で思わず聞き惚れてしまう感じです。
1960年頃の欧州系のフルレンジスピーカーのコーンは、薄手の硬めの軽い紙で作られたものが多く、本出品のGoodmansでも、6枚目の写真のように放射状に細いリブが漉き込まれた凝ったコーン紙が使われています。現代ではゴムなどの素材が使われるエッジも、当時のユニットではコーンの紙と一体の紙の部分がエッジになっており、fixed edgeなどと呼ばれていました。
エッジの部分の紙はコーンの部分の紙と比べて厚さが大変薄くなっており、7枚目の写真のように光にかざすと透けて見えるほどです。この薄さのおかげで、fixedとは言ってもちゃんと必要なストロークが得られていたわけです。
このような紙のコーンのスピーカーは、現代的な低音再生を重視したスピーカーと比べるとQが高くMmsが小さいため、小さめの密閉箱やバスレフ箱では中低域に共振が発生し音がボワついてしまう恐れがあります。そのようなボワつきなしに、高い感度がもたらす開放的な鳴りのよさを引き出すためには、オープンバッフル、後面開放箱、大きめの密閉箱、などのキャビネットがいいかと思います。女性ボーカルやバイオリンなど、比較的中高音寄りのソースでは、バッフルにもつけない裸の状態でも案外気持ちよく鳴ります。
写真でご覧いただけるように、このGoodmans楕円フルレンジユニットのフレームは板金です。このような板金フレームのスピーカーでは板金の前面に厚手のフェルトなどが貼ってあり、標準的にはバッフル板に背面から固定します。その際大切なのは、ネジを強く締めてバッフルにしっかり固定させようとしない、ということです。
本Goodmansは板金フレームとしては頑丈のように見えますが、元々精度を追求できる構造ではないため、しっかりバッフルに固定させようとすると逆にフレームが歪んでしまい、ボイスコイルタッチが生じさせることがあります。バッフルへのネジ留め後に、ユニットを持ってずらそうとすると少しユニットが動く、という程度の緩さで取り付けるのが無難です。
今回の出品にあたり動作確認をさせて頂いておりますが、写真をよくご覧いただき、よろしくご検討ください。
なお、円滑にお取り引きさせていただくため、恐れながらご入札いただいた方の過去の評価履歴を拝見させていただいております。落札者都合キャンセルがある方、悪い評価が3%程度以上ある方、気になる評価コメントがある方、などからのご入札については、お断りなくご入札を削除させていただく場合があります。よろしくご了承ください。