【 60年代最高年 】
今回出品の「ヴァラルド・アントニオ」は、日本で目にすることが出来ないであろう
最もレアな生産者。
イタリアワイン最高位D.O.C.G. に昇格前のD.O.C時代の希少なバローロは、コンディションも抜群に良く、
極めて貴重な1本となります。
ワインのスタイルは、大樽のスロヴェニアンオーク樽による熟成や長期間のマセラシオンによる
「伝統派」。
タンニンが強く堅固な「長期熟成」が前提の
クラシカルなバローロです。
ゆっくりと時間をかけて熟成し、数十年かけて最良のポテンシャルを発揮していきます。
素晴らしいコクとアルコールの凝縮感、タンニンといった
バローロに欠くことのできない全ての特徴を兼ね備えています。
ヴィンテージチャートを探すのが困難な1967年ですが、実は
ピエモンテにおける
『60年代最高年』
なのです。
イタリア最北部の山岳地帯に位置するピエモンテ州。
「山の麓」を意味する同州は、北はスイスに西はフランスに国境を接して、その険しい山々の麓からワインや乳製品、ジビエそして白トリュフが採れる
「食材の宝庫」。
人口が少ない州にも関わらず、星付レストランが多い
「美食の郷」
としてもたいへん有名です。
そのピエモンテは、トスカーナ同様にイタリア高級ワインを生み出す銘醸地。
バローロ以外にも、バルベラ、ドルチェット、コルテーゼ等、単一品種を使用したワインが数多く、
ブルゴーニュに近いワイン文化を持ちます。
その中にあって「バローロ」は、フランスにおけるボルドー格付け第一級やブルゴーニュ・グラン・クリュ同様に、
イタリア最高級赤ワインの象徴。
長期熟成に耐え得る重厚かつ深遠なその味わいのワインを人は、
「王のワイン」
「ワインの王」と称します。
世界中の誰もがその偉大さを認め、また憧れる最上級イタリアワイン、それこそがバローロなのです。
使用品種は、イタリアでもっとも高貴な黒ブドウ
「ネッビオーロ」。
色は淡くタンニンと酸が豊かな特徴を持ちます。
バローロの規定では、このネッビオーロを最低3年間(うち2年間は木樽)熟成させることが法律で定められます。
こうしてネッビオーロの持つ力強さ、厳格さ、深遠さが見事に表現されたバローロが産まれるのです。
近年では、ブルゴーニュに習い単一畑のブドウのみを用い、畑ごとの個性を表現する
「クリュ・バローロ」
というスタイルも確立されるなど、
より地理的要因に注目が集まるようになってきています。
フランスワインが軒並み価格高騰する中でも、
バローロはそのクオリティに反して
まだまだ価格は安定しています。
熟成は既に58年。
間もなく還暦を迎える王のワインです。
葉巻、なめし革、バラのかぐわしい香りを余韻に長く放ちます。
またその味わいには、赤身肉やジビエ、ピエモンテ産ハードチーズ等、イタリアの山岳地帯の料理と抜群の相性を奏でます。
『Vinum Vita Est (ワインそれこそが人生)』。
ひたすらに真摯なワイン造りを守り続けているバローロ生産者の努力の結晶です。