ご覧いただきありがとうございます。アンティークの鶴乃堂です。

鶴は、幸運を運ぶ吉兆の象徴とされています。

このご縁が、皆さまに大きな福を結ぶご縁となりますよう誠実なお取引を心がけております。どうぞ安心してご利用ください。

■ 商品説明

こちらは、明治期・1890年代〜1910年代頃に製作されたと推定される、薩摩焼のティーポット型装飾陶器です。

本体は上品なクリーム色の磁肌に、赤・紫・ピンクの菊花と水辺を泳ぐ2羽の鴨が精密に描かれた情緒豊かな意匠となっております。

特に目を引くのは、非常に細かく、丁寧に施された金彩の装飾技術で、持ち手・蓋・裾・リムに至るまで、繊細で統一感のある金彩が全体の品格を高めています。

黒地に規則正しく描かれた金の模様や、リム部分の連続文様は、まさに熟練の職人技。

現代では再現の難しい手仕事の巧緻さを感じさせます。

また、持ち手上部には小さな通気孔が見られます（写真参照）。これは焼成時の破損を防ぐために設けられた空気抜き穴であり、手作業で作られた当時の陶器に見られる特徴の一つです。

当時の欧米市場を意識して制作された本作品は、ティーポットの形状を持ちながらも、観賞用・装飾陶器としての側面が強く、輸出向けの高級美術陶器として位置づけられる一級品です。

底部には「Hand Painted NIPPON」と記された裏印があり、これは1891年に施行されたアメリカのマッキンレー関税法により、日本製品に「NIPPON（日本）」の明記が義務付けられた時代（1891〜1921年）に該当することを示します。

このため、本作品は明治後期から大正初期にかけての輸出向け作品と判断され、日本の美術陶器が世界に高く評価された時代を象徴する逸品です。

この機会に、明治日本の技術と美意識が結晶した逸品を、ぜひご自身のコレクションにお加えください。

■特徴
・明治期（1890〜1910年代頃）製
・「Hand Painted NIPPON」裏印あり
・源山銘入り
・繊細な金彩装飾が随所に施された美術陶器
・菊花と2羽の鴨が描かれた風景画
・黒地に金模様を重ねた上品なリム装飾
・持ち手に通気孔あり（手作り陶器の特徴）
・輸出向け高級装飾陶器として制作された作品
■サイズ（約）
・高さ：18.3cm（蓋を含む）
・胴幅：16cm（持ち手、注ぎ口を含む）
・奥行：10cm

■コンディション
・経年による金彩の一部にわずかな摩耗がございますが、ヒビ・欠けはなく、良好なコンディションだと思います。

・100年以上前の作品とは思えない保存状態で、コレクター向けとしても非常におすすめできる逸品です。

・状態確認には万全を期しておりますが、見落としがある可能性もございます。

・写真を細部まで撮影しておりますので、入札前にご確認ください。