雅題 席飾り 道具取り合わせ 掛軸 床飾り 床の間 愛茗流 一茶菴流 黄檗弘風流 黄檗松風流 黄檗東本流 小笠原流 織田流 薫風流 三彩流 松月流 松香庵流 松風花月流 松風流 正風流 静風流 煎茶道学会 煎茶礼法青山流 二條流 日本礼道小笠原流 賣茶正流 賣茶本流 賣茶流 東阿部流 方円流 長谷川瀟々居
主婦の友社 編
1989年
179ページ
約26x18.5x1.2cm
作品写真フルカラー
ソフトカバー ※カバー表紙に5cm幅の切れ目あり(画像ではわかりにくいです)
※絶版
煎茶道・煎茶席飾りの主役、床飾りの文人華・盛物の最高権威たちによる写真集。
煎茶道の主要24流派の家元による文人華・盛物190瓶をフルカラー写真で収録、各作品には雅題や道具や掛軸の取り合わせ、作品の意図などを家元が自ら解説した作品集。
巻末には、各作品の解説や主な花材とそのイメージ、とり合わせと画題/雅題、果実などを用いる作例の一覧表、各流派の家元たちによる「煎茶の花」についての考え方を自ら語ったテキストを多数収録。洋花名の中国名(現代名・古典名 シクラメン→仙客来、チューリップ→郁金香など)の項目は雅題として工夫して使用することもでき、別間や待合に意味を持たせて置き合わせることにも役立つ内容。
昭和の最後の文人・煎茶人であり『煎茶志』の著者・長谷川瀟々居も寄稿。
昭和末期の黄金期に当時の煎茶道界が総力をあげて編集したもので、煎茶道には欠かせない情報知識満載。
今となっては煎茶道に関する詳しい書籍、類書もほとんどなく、
煎茶道を志す方はもちろん、和のフラワーアレンジメント、いけばな、生け花、ホテルや旅館、飲食店のディスプレイ、和の空間演出など、本物の文人華・盛物の情報を必要とされる方必携の大変貴重な資料本です。
【目次】文人華/盛物190瓶一部紹介
春
・新年の盛物 賣茶流 家元・高取友仙窟
・正月の花 葉弘風流 家元・高島尚堂
・新春の花 静風流 家元・海野彰堂
・春の花 一茶菴流 家元・佃一祐
・春の盛物 賣茶正流 家元・堤好石
・春のしつらい 松香庵流 家元・嶋田静波
・晩春の花 織田流 家元・吉原南波
ほか 流派家元等以下略
夏
・初夏の花
・初夏の盛物
・夏の花
・夏の盛物
・夏のしつらい
・晩夏の花
ほか
秋
・初秋の花
・秋の盛物
・秋の待合の花
・晩秋の花
・晩秋の盛物
ほか
冬
・初冬の花
・冬の花
・冬の盛物
・冬の床飾り
ほか
●煎茶花の画題 佃一輝
主な花材とそのイメージ
よく使われるとり合わせと画題
果実などを用いる作例
花材の多いとり合わせ
主な花材の中国名
●わが流の煎茶の花についての考え方
煎茶の花について 愛茗流 家元 木村幽亭
一茶菴の煎茶花 一茶菴 一茶菴嗣承 佃一輝
煎茶席の花―床飾りとしての花 黄檗弘風流 家元 高島尚堂
文人瓶華と盛物 黄檗松風流 家元 加藤久岳
黄檗東本流の煎茶席の花 黄檗東本流 家元 小林代鶴
小笠原流としての煎茶の花の考え方 小笠原流 家元 小笠原秀道
煎茶の茶花について 織田流 家元 吉原南波
茶花の心得 薫風流 家元 加藤景正
煎茶席の花 三彩流 家元 星悠丈
松月流の花について 松月流 家元 渡辺宗敬
煎茶席の花 松香庵流 家元 嶋田静波
松香庵流の花の説明
床の花片言 長谷川瀟々居
わが流の煎茶花 松風花月流 家元 高野楓石
文人華・盛物について 松風流 家元 仙田竹窓
煎茶花について 正風流 家元補佐 磯野深泉
煎茶の床飾り―文人華と盛物 静風流 家元 海野彰堂
当流の文人華・盛物についての考え方 煎茶道学会 会長 西山泰生
煎茶の花―高雅な花 煎茶礼法青山流 家元 上條香祥
前茶席の花について 二條流 家元 二條雅荘
煎茶の花についての考え方 日本礼道小笠原流 家元 諸泉祐陽
煎茶の花について 賣茶正流 家元 堤好石
賣茶本流の煎茶の花―天心流について 賣茶本流 家元 渡辺琢宗
煎茶の花について 賣茶流 家元 高取友仙窟
煎茶の花についての考え方 東阿部流 家元 土居雪映
煎茶の花について 方円流 家元 水口豊園
●作品・執筆の流派と先生がた(流名五十音順) 一部紹介
愛茗流 家元・木村幽亭 沢田窓雪
一茶菴流 家元・佃一祐 一茶菴嗣承・佃一輝 ほか
黄葉弘風流 家元・高島尚堂
黄檗松風流 家元・加藤久岳
黄檗東本流 家元・小林代鶴
小笠原流 家元・小笠原秀道
織田流 家元・吉原南波 ほか
薫風流 家元・加藤景正
三彩流 家元・星悠丈
松月流 家元・渡辺宗敬
松香庵流 家元・嶋田静波
松風花月流 家元・高野楓石 ほか
松風流 家元・仙田竹窓
正風流 先代家元・故中村常泉 家元・中村宗敏 家元補佐・磯野深泉 ほか
静風流 家元・海野彰堂
煎茶道学会 会長・西山泰生 ほか
煎茶礼法青山流 家元・上條香祥
二條流 家元・二條雅荘
日本礼道小笠原流 家元・諸泉祐陽 ほか
賣茶正流 家元・堤好石
賣茶本流 家元・渡辺琢宗
賣茶流 家元・高取友仙窟
東阿部流 家元・土居雪映
方円流 家元・水口豊園
長谷川瀟々居
ほか
【作品一部紹介】全190作品に下記のような詳細解説あり
賣茶流 家元・高取友仙窟
新年の盛物「和合万年」
掛物 「瓶簪白雪姑射神人在座間 鼎煮清泉 武陵仙子来天際」 高遊外筆
盛物 万年青 百合根 霊芝
台 荷葉盆
香炉 青磁 金火舎
香盆 螺鈿 長方楼閣人物
軸の二句は嵒信四川(大枝流芳)が売茶翁 の書であることを記し、さらに左下隅に木村蒹葭堂が鑑をしています。天龍寺青磁の香炉 を置き、書院に霊芝、百合根、万年青の盛物 を和合万年の画題で配し、新春の煎茶席を飾りました。
黄檗弘風流 家元・高島尚堂
正月の花
掛物 「蓬不老仙」丹羽禅師筆
花 松 薔薇
花入 青竹
盛物 鏡餅 松 南天
わが国の伝統の中で新年の床飾りの代表的なものの一つである鏡餅を中心に飾り、「不老長春」をあらわす松と薔薇を新年らしく青竹の花入に入れて添えてあります。軸は永平寺貫首の筆になる「蓬不老仙」の書。蓬とは中国のはるか東海の彼方にある霊山で、そこには不老の仙人が住むといわれ、この一会に集う人々が不老の仙人であってほしいという願いを込めためでたい席飾りです。
一茶菴流 家元・佃一祐
正月の花
掛物 林道愛鶴図 可仙画
花 結び柳 カトレア 蘭
花入 南鐐 亀甲文壺 萩井一司作
文房 硯(歙州羅文長方硯) 筆(明代螺細管)
花 薔薇
花器 明初 青花瓶
正月の結び柳は茶の湯の席でも用いられますが、本来は文人趣味のものです。旅立つ人との再会を念じる「環柳条」がもとで、一年のめぐりに転じたのが型となりました。自然木の上から大きく柳を回し、文房具を置き合わせ、文人の新年の待合席として構成しています。
静風流 家元・海野彰堂
新春の花「不老長春」「万年大吉」
掛物 「日出乾坤曉」華頂筆
花 松 薔薇 菊
花入 青磁 三代清風与平造
盛物 大柚 万年青
新春の床飾りは松や梅、竹、千両、万年青、南天などが基本となります。黄檗第二十五代管長・華頂の「日出乾坤曉」を掛け、清風与平作の青磁長壺に松をいけ、薔薇と寒菊を添えて不老長春としました。脇床の盛物は大柚に万年青を組み合わせ、万年大吉を表しています。
ほか