
外見は童話ですが、実は大人向け。シェル・シルヴァスタイン著、「ぼくを探しに(The Missing Piece)」です。 倉橋由美子訳、講談社刊。状態は未使用に近く、非常に良好です。送料はクリックポストで185円です。
★内容: さあ どうぞシルヴァスタインのふしぎの世界へ。倉橋由美子がご案内します! この魅力的で心にしみるイラスト物語が、地球の上で、花のように、風のように読まれ続けているわけ――を、あなたも見つけてください。
何かが足りない
それでぼくは楽しくない
足りないかけらを探しに行く
ころがりながらぼくは歌う
「ぼくはかけらを探してる、足りないかけらを探してる、
ラッタッタ さあ行くぞ、足りないかけらを・・・
本書は、「外見的には童話、絵本、マンガ・・のどれかのジャンルと見えますが、書店では大人向けの文芸作品コーナーに置かれるべき作品でしょう。絵は『おおきな木』よりさらにシンプル、と言うより無造作に描かれています。大人の固定観念で説明すれば、フリーハンドの一本の横線で世界を描き、そこをパックマンのような球体の宇宙生物、あるいは丸い石ころ(rolling stone)のような、精神年齢は少年から青年期を感じさせる主人公がころがっていき、いろいろな経験をするという話です。大人はこのすばらしく未完成な作品を、自分の好みの読み方で完成することができます(そこにタイトルの真意があると思います)。70年代中頃の時代背景を映すとともに、一つの普遍性を表わそうと試みて成功した作品です。〈中略、さらに続編については〉 せっかく抒情的な美しいラストで終わったので、つづきはないだろうと思った読者も多かったはずなのですが(筆者もそうでした)、いつまでも旅を終わらせたくないと思う大人がいることも事実で、そういう方々向けの続編です。シルヴァスタインのサービス精神が発揮されたと思えば良いでしょう」(書評サイト; ”just-read-it.book-lovers.net”の解説より)。
★著者、シェル・シルヴァスタイン(Shel Silverstein)は1932年、米国シカゴ生まれ。作家、イラストレーター。1969年、1984年にグラミー賞を受賞するなどシンガーソングライターの顔ももつ。日本では『おおきな木(The giving tree)』がロングセラー。幼年期はミッドウェストで育つ。「野球選手になって女の子にもてたいと思っていたが、野球もダンスも苦手でそれゆえに絵、音楽、本の世界に入った」と自ら述べた。朝鮮戦争の退役軍人でもある。40歳代になっても日常スタイルはひげ面にブルージーンズ、大きなカウボーイハットで肉付きの良い身体であった。詩人、音楽家、漫画家、児童文学作家と多彩な顔を持つ。自由な性格であり一箇所に留まらない放浪の生活だった。行きたい所へ行きやりたいことをやり、自分の目で確かめて何にでも挑戦していた。「自分のやり方で」というのがモットー。著作はほかに『おかしなおかしなきりんくん(A Giraffe and a Half)』、『ぼくを探しに』、『続ぼくを探しに ビッグ・オーとの出会い』、『歩道の終るところ(Where the Sidewalk Ends)』など。1999年死去(享年66)。
★訳者、倉橋由美子は1935年、高知県生まれ。小説家。明治大学大学院文学研究科中退。在学中に『パルタイ』を発表して脚光を浴びる。同作で芥川賞候補、女流文学者賞を受賞。その後も『聖少女』、『スミヤキストQの冒険』、『アマノン国往還記』(泉鏡花文学賞、マンボウ賞)などを発表。カフカやカミュの影響を受け、日本の女流作家としては稀な抽象的、寓話的作風を示して注目された。エッセイ・評論や訳書も多い。2005年死去(享年69)。
※出品ページに表示の「配送方法」はあくまで単品でご落札いただいた場合の方法と送料でございます。複数点をご落札いただいた場合は、最も経済的な方法で一括発送いたします。具体的には、に「まとめて取引」という仕組みがあり、ご落札者による「まとめて取引」の要請に応じて、出品者より一括送料をお知らせし、その上で一括決済いただくという流れになります。