フランスはリヨン拠点で2005年頃に結成されたというアヴァンギャルドプログレッシブなその21世紀型最前線、POILと、東京出身の薩摩琵琶奏者として知られている上田純子による合体コラボレーションプロジェクト、POIL UEDAによる2022年発となる1作目。リリースはフランス拠点で得体の知れない現代のロックに於ける謎々ミュータントを続々と投下し続けるDur Et Douxからカードボード紙ジャケットにてリリースされていたアルバム(因みに配信リリースでは例の如く全5曲がブツ切れ状態のキャプション付けで作品性が台無しに。本来はこのCDのように、前半と後半に分かれた組曲形式で、切れ目なしに演奏が続いていく)。POILの方は既に08年のデビュー作以来、5枚のディスコグラフィーがあって、マーキーからも国内流通版もリリースされているなど、アヴァンギャルドプログレ系では知られた存在。片や上田純子のほうはプログレシーンでは知らない人がほとんどという未知のアーティストなわけだけれども、その音楽履歴を調べてみれば、あまりの縦横無尽な振れ幅には驚くほどで、単に薩摩琵琶奏者というだけでなく、多面的な音楽性を演奏者として実践していくという非常に稀有な存在。例えばサイトからの引用では<薩摩琵琶を故鶴田錦史(薩摩琵琶鶴田流)に師事。天台声明を海老原広伸に師事。劇団ブレヒトの会にて編曲、ピアノ演奏を担当、ロシア未来派オペラ「太陽の征服」西武美術館にて一柳慧とのピアノ連弾、東京音楽大学作曲科卒(有馬礼子、湯浅譲二、池野成に師事)。インドネシアのジャワのガムランを5年間、バリのガムランを2年間演奏する。東京国立劇場の伶楽、声明、現代音楽の定期公演に参加。正倉院の復元楽器、箜篌、七絃琴、そして薩摩琵琶の演奏を担当する。また、正倉院の復元楽器「伶楽」のCD録音に箜篌の演奏にて参加する>などとあるように、邦楽を起点にしているとはいえ、ここまで何でもアリという演奏者は皆無ともいうべき。そんな現代の異端音楽最前線に位置する両アーティストが、本格的にバンドアンサンブル形式で取り組んでみたという流れなので、音を聴く前からドキドキが止まらないのは言うまでも無く、実際に音を聴いてみればこれがスゴイ。というか最初の印象としては欧米に於ける日本的イメージにも沿っちゃった感のほうが先に来てっていうのも束の間、聴きこんでいくうちにこのアンサンブルの特殊性が徐々に真の姿を現してくる頃には唖然とするしかないほど。この異様な拍節感によるロックリズム構造対ギターディストーション、フレンチアヴァンギャルド伝来の狂気のヘヴォネスを孕んだまんまに上田純子が通過してきたであろう上記の音楽的な軌跡が拮抗し、アヴァンギャルド邦楽プログレッシブな21世紀型へと収斂しちゃったような凄まじさ。なのでまあ、キャプテンビーフハート、エトロンフー、マグマ、レコメン系、ZEUHL系をひっくるめて源平合戦~義経(壇ノ浦の戦いと仏教の声明、現代音楽とガムランが混濁状態のまんまに後光を放ったようなイメージが現出する現代のロックミュータント。必聴!!! POIL UEDA-same(Dur Et Doux)
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