御存知!Night Ranger 全盛期(末期)唯一のライヴ盤「Live in Japan」 デジパック仕様限定盤 輸入盤未開封新品でございます。
このMetalMind盤は表記はございませんがリマスターが為されている模様で、良心的な音質となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは全盛期末期、Jack Blades(Vo&B ex-Rubicon、Stereo 後にDamn Yankees)、Kelly Keagy(Vo&Ds、 ex-Stereo)、Brad Gillis(G&B-Vo、ex-Rubicon、Stereo、Ozzy Osbourne)、Jeff Watson(G)、
前作一曲参加のJesse Bradman(Key)となります。
1988年”Man In Motion”Japan Tourツアーでの実況録音でございますが、11月19日渋谷公会堂での収録からの抜粋となります。
何せ定評のある日本公演での録音でございますので音質は言わずもがな、でございますが、映像版がございますのでそのサントラ盤の感もございます。
これだけ注目を浴び、成功を収めた割にはフォロワーがいないという不思議なバンド。
メンバー全員が芸達者、それを生かした演奏・アンサンブルに楽曲というところがミソでございますが..............................
それもその筈、そもそもキャリアが異色。
メインで作曲を行うJack BladesやBrad Gillisが「Sly & the Family Stoneにウエスト・コースト・サウンドを加えたかの様な」と評された、かの伝説の「California JamⅡ」にも出演したファンク系名ロックバンド「Rubicon」出身。
12弦アコースティックギターをハイテク感巧みに操り、フュージョン系の正確な演奏力を持つJeff Watson。
アメリカンHR/HMの草分けとして知られ、BritishHM系バンド等にも奉られた伝説の「Montrose」出身。
メジャーか?ローカルか?というアメリカンHR/HMの極端な格差社会時代に中堅として孤軍奮闘した元同僚のSammy Hagar Bandにも在籍したというキャリアを持つものの、
何故か?当時の「ブラコン系」的な演奏や音造りをするAlan "Fitz"gerald(今作では既に脱退しておりますが.....................................)。
そしてかのRubicon解散後のJack Blades/Brad Gillisと「Stereo」というHRバンドを組みNight Rangerに発展するものの、明らかにジャズやジャズ系名演奏者の影響を強く受けた「歌う手数系名ドラマー」(非常に珍しい)のKelly Keagy。
....................................真面な訳が無い!
メインの作曲はJack Bladesではございますが、メロディアスとは言えどアメリカンHR/HMの系のそれではなく、明らかにポピュラー系のもの。
(後々のStyxのTommy Shaw(Damn Yankees同僚)とのプロジェクトからも伺えますが.........)
その分野外のポピュラーさを持つ楽曲にハードさを加え、芸達者なメンバーの巧みな演奏・アンサンブルを練り込んだ音楽性はHR/HMにおいても非常に稀有なものではなかろうかと存じます。
Brad Gillis/Jeff Watsonのハードなツインギターのコンビネーションの巧みさが当時は売りでございましたが、楽曲にスケール感や躍動感・立体感を作り出すKelly Keagyのドラミングも見事なもの(ハイハット、タムやシンバル捌きにも注目)。
(4th「Big Life」ツアー後に既に脱退しておりますが......)一見HR/HM系に見えるものの、所々で(当時のポピュラー系)ブラコン感覚が演奏や音造りにも伺えるAlan "Fitz"geraldの味付けも興味深いところ(ピアノ捌きも)でございます。
ハード/へヴィ面と分野外のポピュラーさの絶妙なバランスがNight Rangerの音楽性の確立を呼んだ感がございます............................後のDamn Yankeesも同様でございますが....................................
さて、因縁の「Man In Motion」リリース後のツアーでございますが、演奏・アンサンブルは抜群でございます。
非常に質が高いもののスタジオ作「Man In Motion」のチャートアクションは前作を大幅に下回りセールスも下落。
ヒット曲が生まれ、質は粒揃いではございますがバンドの代表曲..と言われるものが........。
おまけにメロディアスさを含めA.O.R.感覚が強く、躍動感あるアメリカンHR/HMであるNight Rangerは何処行った?とも...................................
正直、メインソングライターJack Bladesに代表される音楽性の器用さ、メンバー全員に共通する演奏スタイル含めた器用さ、そこが逆にネックとなった感がございます.................................................
ここでは「Big Life」「Man In Motion」でのA.O.R.系評価や母国での不振を振り払うかの様な、本来の躍動感あるアメリカンHR/HMたるNight Rangerが聴かれます。
スタジオでは控えめの感があったBrad Gillis/Jeff Watsonのツインギターでございますが、ライヴとあって水を得た魚の如く生き生きしたもの。溜飲を下げた感がございます。
Kelly Keagyの巧みさはスタジオ/ライヴ問わず相も変わらずでございますが.........................................................................
演奏・アンサンブルは見事なもの、そもそも「ライヴバンド」として評価が高かったNight Rangerでございます。面目躍如の感がございます。
ライヴの躍動感ある音造りの感覚で3rd以降が制作されていれば.........................................との感がございます。
プロデュースはバンド自身。
コーラスは若干オーバーダビングの感がございますが、違和感がない様に仕上げられており良心的。また観客ノイズも楽曲によっては加えられておりますが、目くじらを立てる程ではないかと..............
但し、制作時のバンドは末期状態。
ソングライター面とロックバンドとしての音楽性、セールス/ビジネス面とメンバーそれぞれの本音等々。それぞれが次を見据え、解散が目に見えている状態。
契約消化の感もあり、良い演奏・アンサンブルの割には編集が雑な感が「玉に瑕」と言ったところでしょうか......................................................
「Midnight Madness」「Seven Wishes」最全盛期時代には映像作品があり、(こちらもそうでございますが)そういう理由やバンドが崩壊寸前であった事から一公演のみからの選択となった感がございます。
正直、ラジオ放送含め様々なきちんとしたライヴ音源が存在している筈でございますから、ライヴ・コンピレーションとしてもきちんとしたものを制作していただきたかった感がございます..................何せ名ライヴバンドですし............
以前からNight Rangerの音楽性にある分野外のポピュラーさがレコード会社の目に留まり、ファンの戸惑いはあれど前作は大きなセールスおまけに大ヒット曲。
シングルヒット志向の安易なマーケット分析がなされ、したり顔で関係者がバンドに介入した結果の感がございます(Asiaや”Cinema”Yes、Whitesnake等の例がございますが.........................)。
時代が変わった事もあり、シーンで苦戦するバンドにレコード会社がバンドに強いたものの結末が解散ではなかろうか?との感がございます...................................................................................
この機会に是非。