TAIR 11A 2.8/135 87年 ペレストロイカ期USSR製デッドストック未使用品 パスポート付フルセット
20枚絞りを持つソ連製中望遠の名玉
完全未使用・個体証明付きの希少個体
1987年に製造されたUSSR製の中望遠レンズ TAIR 11A 2.8/135 を出品します。
これはポーランド映画産業の聖地ウッチで保管されていたデッドストック品です。同梱の「パスポート(証明書)」にはシリアル(証明書とパッケージで一致)の他に「OTK(技術検査課)」のスタンプがあり、1987年4月7日に第15生産ラインで製造されたことが証明されています。完全な工場検査合格品で、またポーランドの光学機器流通会社が受領した品物。これは当時の東側でよくあった横流し品でもB級品でもなく、正規の流通に乗った品物です。
東側光学産業の断面標本
この個体はポーランドのウッチで受領されそのまま保管されていたものの様です。ウッチはポーランド映画産業の聖地で、アンジェイ・ワイダもここで映画を学んでいます。この街はもともと工業都市として栄え、今でも多くの工場や倉庫が残っています。おそらく、映像産業関連の光学機器とともにソ連から輸入されたものがここに集積し、その多くがデッドストックされた、ということの様です。実際にウッチでは映画撮影用のカメラやレンズなどのデッドストック品が多く残されており、そうした機材を展示した博物館もあります。
この個体が製造された1987年はソ連の光学機器製造において品質が比較的安定していた時期と言われています。
繊細な線、溶ける背景
このレンズの基本スペックは下記の通りです:
焦点距離:135mm
開放F値:F2.8
マウント:M42
絞り羽根:20枚
このレンズの描画はまず線の繊細さとボケの滑らかさではないかと感じます。また階調も滑らかです。ここが現行のレンズと著しく異なる様に感じます。コントラストも控えめです。
写真10ではSIGMA FPを使用しています。手持ちのSIGMA Artのレンズと比較すると、現行のレンズの解像感がどこかカリカリした感じに感じられます。光学機器としては基本的に同じ原理を使用したものですが、この違いはデジタルレコーディングされたものをハイレゾで聞くのと、60年代の真空管卓で録音されたものをLPで聴く時の違いを何となく思わせます。
絞りリングも2段階式になっており精緻なセッティングが可能です。フォーカスリングは重めですが逆に安定して設定できます。そして何より、フルメタルのボディーの重量感。ペレストロイカ期のソ連で製造された質の高い製品であることは持つとわかります。
最新の工学技術を用いたものとはスペック上の性能は当然異なります。が、経済原理によって現在では製品化できないクオリティーを誇るものがかつてあったのも事実。ドイツもののコピーが多いロシアのレンズ群にあってこのTAIR 11Aはソ連オリジナル設計です。
レンズ面には傷はおろかカビなどが一切ない完全な状態。またこのセットにはレザーの専用ケース、M39アダプター、そしてケースの蓋部分のポケットにはフィルターが収納されています。
証明書、シリアル、アクセサリー付きの未使用品フルセット。まさに東側光学産業の断面標本といえるコレクターズアイテムではないでしょうか。ここまで状態・書類が揃った個体は現在ほとんど市場に出ていません。
各国の写真家の方がこのレンズのレビューをしているようです。いくつかリンクを下に貼りますので、参考までにご覧ください:
落札者様へ
出品物は TAIR 11A 2.8/11 セットのみ となります。出品物はテスト済み完全動作品ですが数十年前に製造されたビンテージ品であることをご理解いただいた上でご落札いただけます様お願い申し上げます。
動作確認について
この個体はデッドストック品ですが、この出品に際し私がワルシャワの自宅内で数回サンプル撮影をしております。そのうちの一枚を画像10としてアップロードしております。この点ご了承ください。
発送について
私が在住するポーランド・ワルシャワからポーランド郵便 Poczta Polska を利用して落札者様にお届けします。2018年から Poczta Polska を利用していますが、国際郵便にありがちな荷物の紛失、未配達などのトラブルは現時点では一件もございません。また、配送には通常10営業日前後かかっておりますが、こちら新型コロナウイルス蔓延の影響もありますので若干前後することがございます。発送後には荷物番号をお知らせし、お届けまでこちらでも配送状況を逐次確認しお知らせいたします。
ポーランド郵便局 Poczta Polska