御存知!オリジナル期のデモ/ライヴそして新規録音含む貴重な音源収録 全盛期Vandenberg「The Definitive Vandenberg」リマスター二枚組
盤共に非常に良い中古でございますが、CDブックレットに皺、表下部に汚れそしてオリジナルCDケース支え部による若干の傷みがございます。
表記はございませんが、このコンピレーション盤用にリマスターが為されている模様。
非常に良心的な音質となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは不動の四名。
名手Adrian Vandenberg(G、Key、B-vo 現再結成Vandenberg、ex-Teaser、後にWhitesnake、Manic Eden、Vandenberg's Moonkings)、
名手Bert Heerink(Vo、後にPicture、Kayak他)、Dick Kemper(B、Bass Taurus-Pedals、B-vo)、Jos Zoomer(Ds、Per)となります。
過去三作”Vandenberg””Heading for the Storm”はStuart Epps(録音エンジニア兼任。Led Zeppelin、The Firm等手掛ける)
/Adrian Vandenberg(制作は両作共にJimmy Page所有の”Sol Studios”)、
”Alibi”はJapp Eggermontによるプロデュース(オランダ”Soundpush Studios”での制作)。
”Burning Heart”新録音二曲はAdrian Vandenberg、Dick Kemperによるプロデュース、Adrian Vandenbergの御子息Jay Vandenbergのミックスとなります。
CD1:大傑作三作”Vandenberg””Heading for the Storm””Alibi”からの選曲にかの名曲”Burning Heart”新録音。
CD2:”Atlantic”契約のきっかけとなったデモ録音7曲にライヴ音源3曲、バラード名曲”Burning Heart”の別ヴァージョン。
以上となります。
1978年に”Teaser”を結成し作品を制作。
かの”Bad Company”的な音楽性にヨーロッパHRの垢抜けた音楽要素を加えた内容で結構な評判をを呼ぶ事となります。
されど短期間で解散の憂き目に遭い、自身のリーダーバンド結成を目論む事となります。
また名手Snowy Whiteが事実上脱退したThin Lizzyからオファーを受けオーディションに参加するものの、
既に(故Phil Lynottの強い意向で)名手John Sykesに内定しており、不合格。
その後本格的にバンド結成を指向し、紆余曲折の上にBert Heerink/Dick Kemper/Ken Zoomerを加えたラインナップに固定。
そしてAdrian Vandenberg自身のプロデュースでデモ録音を制作するも、その完成度に驚いた大手レコード会社”Atlantic”が契約に動く事となります。
デビュー作制作を巡り”Atlantic”本社が専属プロデューサー起用を促すものの、”英国Atlantic”副社長Phil Carsonがセルフ・プロデュースを強く進言。
以てAdrian Vandenbergを中心としたプロデュースで取り掛かる事となります。
完成・リリース後は何と!米国南部にてラジオ放送で頻繁に取り上げられる事となり、地域界隈とは言えど結構なヒットを記録。
それに伴いOzzy OsbourneやKISSの前座に起用され、全米をツアーする事となります。
(その中で”King Biscuit Flower Hour ”用実況録音が収録となります)
最終的には異例の全米を中心としたヒットを記録。バンドは順風満帆となります。
そして前作の制作を踏襲、よりポピュラー感を強めた大傑作「Heading for the Storm」を完成。
前作同様日本では高い評価を受け初来日公演が実現するものの、全米では不振。音楽性の立て直しを迫られる事となります。
その中でレコード会社側の圧力を避け、地元オランダ制作で”Alibi”を制作。
とりわけ日本では高い評価を得、再び来日公演が実現。好評を博すものの、全米ではチャートインすらない状況に追い込まれる事となります。
その後Bert Heerinkが脱退(NWOBHM絡みの名バンド”Picture”に加入)。
新ヴォーカリストを迎えバンドの立て直しを図るものの、
レコード会社側の姿勢に疑問を呈したバンドは、ヘヴィ/ハード路線の音楽性を指向したデモ録音を意図的に制作。
よって契約解除となります。
新たな契約を探すうちに、かの大傑作”1987”の制作最末期でWhitesnakeの制作ラインナップを解体したDavid Coverdaleからアプローチ。
かの名曲”Here I Go Again”のギターパート全演奏再録音(ここがミソ)の依頼を受け、制作に関わる事となります。
その出来に満足をしたDavid CoverdaleはAdrian Vandenbergに正式加入を依頼、Adrian Vandenbergはそれを承諾。
世界的な成功への道へ......という経緯がございます.................
さて今作。
正直ベスト盤ではないもの。
そもそも全盛期Vandenbergは三作のみ。纏めて三作をCD二枚に収める事は可能ではございます。
されどあの曲は何処へ行った?という感がございますが、そこが今作の売りではない事がミソ。
Vandenberg時代の未発表音源収録重視と新録音というものでございます。
デモ音源ではございますが.....
1981~1982年オランダ・アーネム”Stable Sound Studios”での制作となります。2インチ・テープ使用での録音の模様でございます。
音のバランスが.....という面がございますが、結構音質の良いもの。
加えて楽曲の完成度が非常に高いもので、大傑作と呼ばれた”1st”そのものという感。
契約やその後の制作に至る経緯が理解出来る質となっております。
”Live in Japan”名義の2曲は映像版「Live in Japan」からの収録。
そして”Live in USA”名義一曲は上記の”King Biscuit Flower Hour”収録時のものの感がございますが、
放送用マスターテープを使用している感がございます(Adrian Vandenbergがコピーマスターを所有していた感)。
リズム隊の個性や演奏力が.......と当時言われておりましたが、演奏・アンサンブルは結構纏まりを聴かせているもの。
(本編共々ドラム音の面白さがございますが.......)
名手Adrian Vandenbergの演奏に注目が当たりますが、(オランダ語訛りとは言えど)名手Bert Heerinkのヴォーカル表現力も伸びやかで中々のもの。
デモ録音といい、本編といい、ライヴといい、高い評価を受けた事が理解出来るものとなっております。
さて新録音”Burning Heart”。
Bert Heerinkのオランダ語訛りの英語が消えまた幾分キーが下がっている事や
途中からストリングスアレンジが加わえられて大仰化アレンジが為されている事が時代の流れを感じさせるもの。
Whitesnake時代の深刻な手首の負傷を経てAdrian Vandenbergのアコースティック・ギター演奏の音が小さくなり独特の起伏が減った事、
Jos Zoomerの演奏(但し、プログラミングの感有り)が相も変わらず.............が玉に瑕ではございますが、名曲は名曲でございます。
Adrian Vandenberg曰く「2ndのツアーでの生活の乱れから喉を悪くして残念だった」というBert Heerinkではございますが、
表現力は今も変わらず中々のもの。
名手Adrian Vandenbergのみならず二人の音楽個性がバンドの要であった感がございます...........................
オリジナル・ヴァージョンが更に収められている事が思い入れの強さという感ががございます.....................................
ヨーロッパ圏出身とは言えど、非常に洗練され垢抜けたメロディアスさ、ハードさとポピュラーさを持つ非常に完成された音楽性で高く評価されたこの”Vandenberg”。
洗練ポピュラー感有るメロディアスではあれど少々奇妙さを加えた個性的でハイテク感有るギターヒーロー然とした名手Adrian Vandenberg。
正直、この時代の名手Adrian Vandenbergが(演奏・作曲含め)一番輝いていた感がございます....................................
この機会に是非。